【名店列伝 第5弾】山形の鶏文化を反映した黄金に輝くスープが魅力 「新旬屋本店」の想いと美味しさの秘密に迫る

ラーメン店を始めたきっかけを教えてください
小学生の時から親の帰りが遅いと、自分で出前を注文するほどのラーメン好きでした。卒業文集にも将来の夢はラーメン屋と書くほど、ラーメン屋を出店することに憧れがありました。その夢が形になるきっかけとなったのは、香川県にある大和製作所の藤井薫社長との出会いです。藤井社長と出会った当時、私は地元の特産品会社に勤めていました。当時の山形では減反政策によってお米の生産量を減らし「そば」の生産量を増やす取り組みをしていました。

特産品である「そば」を使用する商品製造のために伺った製麺所で「地元のために貢献したい」と大手製造会社を辞めて製麺会社を設立した社長に感銘を受け、自分でもラーメン店を出店しようと踏み出したのが当店の始まりです。
ラーメンステーションで提供しているメニューについて
当店からは「金の鶏中華」を提供しております。こちらのラーメンは、スープもチャーシューも全て鶏を使用しているのが特徴です。山形では元々鶏を家庭で飼育しており、来客があった場合や祝い事の際に提供する習慣がありました。うちのお店で出す鶏中華はそんな山形の鶏文化を感じさせる一杯となっております。

醬油ベースの「鳥中華」と差別化させるために「金の鶏中華」は鶏をゆっくりお湯にかけ、あますことなくうま味を抽出した鶏ガラを使用。モンゴル岩塩のマイルドな甘みが特徴で、透き通ったスープに仕上げています。金の鶏中華の‘‘金‘‘は鶏油の色から来ており、親鳥からとった鶏油を使うことで黄金に輝くスープになります。
ラーメンに対する想い
鳥中華と差別化したラーメンを作り、地域のつながりを大切にしながら地産地消にこだわった食材を地元の卸業者から仕入れていることが当店の特徴です。現在の「金の鶏中華」が誕生する前に「東京ラーメンショー」に出店させていただきましたが当時は今のような金のスープではなかったため、ラーメンショーの参加者からは「山形にはもっとおいしい鶏そばがある」と批判的なコメントを受けました。

そこで、既存の鳥中華とは異なる商品を出すために、鶏ガラと塩ベースの「鶏のうま味を生かすことにこだわった」ラーメンを考案し、現在の「金の鶏中華」が生まれました。
今後の展望
山形のラーメンを全国に広げていきたいと思っています。実は、山形はラーメン消費額・店舗数・自家製麺率すべてにおいて日本一です。しかし、一般的な消費者が抱くラーメンのイメージといえば、福岡の「博多ラーメン」や北海道の「札幌味噌ラーメン」などが挙げられ、山形のラーメンのイメージはあまり浸透していません。

そのため当店は山形の中華麺を全国に広げるために県や市と協力してイベントを企画したり、広報活動に取り組んだりして山形ラーメンの普及に努めています。まずは当店の「金の鶏中華」を全国に広め、そこから山形のラーメン文化を広めることができればと考えております。
店舗紹介
当店の最大の特徴は朝・昼・夜で出すラーメンが異なることにあります。そのため、同じ店でも時間によって客層がガラリと変わります。朝はあっさりとした「にぼしブランドのラーメン」、昼は名物の「鶏中華」、夜は学生向けの「がっつり系ラーメン」を出しています。全て同じ系列の店舗で構成されており、日本でものれんが3つも変わるラーメン屋さんは珍しいと思います。

3食食べても飽きないラーメン屋はラーメン消費額の多い山形にピッタリです。ラーメンが好きな山形県だからこそ生まれたものではないでしょうか。お店は山形新幹線の終着駅である「新庄」駅から約5分の立地にあるため、旅のついでにぜひ来ていただきたいです。
本店店舗情報
- 店名新旬屋 本店
- 所在地山形県新庄市沖の町3-20
- 電話番号0233‐23-4634
- 営業時間【朝の部】 「煮干中華蕎麦あらた」6時30~9時30分 【昼の部】 「新旬屋本店」10時30分〜14時30分 【夜の部】 「極中華蕎麦ひろた」16時30分〜20時00分(L.O)
- 定休日火曜日
トップページに戻る